現代人が最初にやるべきファイティング・ファンタジー作品(入手性無視)
パラグラフジャンプ型ゲームブックの金字塔ですね。
ゲームブックを語る時に抜いて語るのは、格ゲーの歴史を語る時にスト2を抜いて語るぐらい難しいでしょう。
イギリスファンタジー特有の乾いた世界観は最高です。
最近では第二版のテーブルトークRPGシリーズも展開が続いておりますし、復刻の「ファイティング・ファンタジー・コレクション」も最初のセットが再販売され、第二弾も予約受付中です。
もちろん私も予約済。
でも、このシリーズ難しいんですよね。
ペーパーとは言え当時の洋RPGだから当たり前かもしれませんが。
戦闘や即死選択肢以上に、「クリアフラグを満たしていないとギリギリまで行っても(場合によってはラスボスを倒そうが)エンディングに行けない」「フラグを満たせるルートに行けるかは合理的選択の結果というよりはルート埋めでの正解ルート探しに近い」仕様がもっともエンディングを阻んでくれます。
(まあ、戦闘バランスも後期作品の結構な割合が相当ひどいですが……)
当時においては長く遊べてよかったのかもしれませんが、後から手に入れると別にそういう動機はあんまりないのでちょっときつい。
ただ、そんな難しいシリーズにも難易度がそこまでじゃない作品があるんです。
それがこちら、『サソリ沼の迷路』。
https://www.amazon.co.jp/dp/4390111515/ref=cm_sw_r_tw_dp_GPVN5Y03GQ2GSDP1A59Z
普段の作者コンビ(スティーブ・ジャクソンとイアン・リビングストン)とは別の人(同姓同名の別のスティーブ・ジャクソン)が書いていて…みたいなお話は、知っている人には釈迦に説法で、知らない人にはこの際どうでもいいので置いておきます。
本自体の特徴。
・一度行った場所に行き戻り可能
・ルートが3つある
・なのでエンディングも3つある
・どのルートにもエンディングに行くための(難解な)フラグはない
・戦闘の難易度も低め
別に似た特徴のゲームブックが他にないわけじゃ全然ないんですが、当時のファイティング・ファンタジーの中ではこれが特徴。
「舞台が普段の大陸(アランシア)ではないので世界観自体の入門にはならない」
「普段と同じパラグラフ数なのに三ルートあるので正直各ルートはあっさり味すぎる」
辺りが言われやすい欠点ですか。
これらの欠点はたしかにそうです。
でもお気に入りなんです。
簡単で肩がこらないので大好きです。
正解ルート探しではなく、並列のルートから選択出来るのはゲームブックらしい当事者性があっていいと思うし、
イカサマや指セーブ(指を挟んだ場所に戻る)なしでも疲れずにクリアできる
ファイティング・ファンタジーなんて最高ではないですか!
と、自分がヌルゲーマーなことだけ告白して終わりにします。
でも、中古流通相場3000円程度は、お財布のヒモが緩みまくっている傾向のある(偏見)、このジャンルに興味のある人なら割と出せる額でしょうし、興味があるならおすすめです。
苦情は受け付けませんが。
とはいえ、難しくてもいいからまずは先に言った復刻コレクションを買うべきですけどね!